月経痛(生理痛)の鍼灸治療


 東洋医学では昔から「冷えは万病の元」と言われて

きました。

 

 様々な症状は冷えで起こり、月経痛も冷えのため、

と考えられてきました。

 

 また、人の身体には陰と陽の働きがあり、この2つの

バランスがとれている状態が良いと言われてきました。

 

 東洋医学の基本概念に陰陽論という考え方があります。

 

 すべてのものには二面性、陰と陽があり、そして陰陽

は相対的なものと考えます。一方が陰なら一方は陽です。

反対のものでありながら調和する、それが陰と陽です。

 

 たとえば、女性(陰)と男性(陽)、1人の人を見た

場合は、下半身(陰)と上半身(陽)などです。

 

 人の身体の働きでは、自律神経の副交感神経(陰)と

交感神経(陽)などです。

 

 プロスタグランジンも血管を収縮させ痛みを軽減する

作用(陰)と血管を拡張させ痛みを起こす作用(陽)の

ものがあり、陰陽の二面性があるのです。

 

 陰があるから陽があり、陰だけ、あるいは陽だけが単

独であるのではないのです。

 

 そして、人は陰陽のバランスが整い、気血のめぐりが

良く、温かい身体が健康な状態なのです。

 

 身体が冷え、気血のめぐりが乱れ、陰陽のバランスが

崩れることで、さまざまな症状が現れると考えられてき

ました。

 

 これはまさに、西洋医学で言う、血行障害(気血の乱

れ)や、自律神経やプロスタグランジンのバランス(陰

陽のバランス)のことを意味しているのです。

 

 そして、東洋医学は何千年にもおよぶ治療の積み重ね

の中で、「冷え」と病の関係について明らかにしてきま

した。

 

 人の体は、生活習慣やストレス、外傷、環境などの

要因により、気血の流れに偏りや滞りが起きます。

 

 そして陰陽のバランスが乱れ、だんだんと身体の芯に

「冷え」が生じ、多彩な症状が現れるのです。

 

 月経痛もその多彩な症状の1つです。

 

 この冷えを東洋医学では「根元的な冷え」と呼び、

の根本原因と考えています。

 

 たとえば、私たちの身体は、家事や仕事で忙しかった

り、悩み事や人間関係などによるストレスを受けると、

交感神経が緊張して、脈拍を上昇させます。

 

 ある程度のストレスの下では、血流が増えて血行も

良くなって良いのですが、行き過ぎた時が問題なのです。

 

 いき過ぎると血管の収縮が徐々に強くなってくるため、

血流障害が起こり、体が冷えてきます。そして、「手足

が冷える」「顔色が悪い」などの症状が現れてきます。

 

 活発に生きている人達は、とてもはつらつとしていま

すが、限度を超えると体は冷え、だんだん元気がなくな

ってきます。

 

 ストレスや生活習慣、外傷、環境などの要因により、

体が冷え、そして、月経痛の症状が現れているのです。

 

 痛み止め薬の多くは、プロスタグランジンの分泌を

抑制して痛みを一時的になくします。

 

 しかし一方では、血流が抑制されて血液循環が悪く

なり、体が冷え、新たな症状の原因にもなります。

 

 冷えが原因の月経痛を止めようとしてさらに身体が

冷え、月経痛がひどくなったり、腰痛や胃腸痛などの

症状を引き起こすことがあります。

 

 また、プロスタグランジンには、交感神経に傾いて

いる身体を、副交感神経よりに戻してくれる働きがあ

ります。つまり、自律神経のバランスをとろうとして

いるのです。

 

 交感神経を抑制する働きがあるプロスタグランジン

を抑制してしますと、交感神経の緊張に歯止めがかか

らなくなります。

 

 ますます、交感神経が過剰に働き、不定愁訴や自律

神経失調症などを招くことになるのです。

 

 辛い痛みをとってくれる薬の効果はすばらしいもの

です。しかし、残念ながら服用を続けないと症状は

繰り返します。

 

 これは、プロスタグランジンの分泌を一時的に抑制

しているので、分泌されれば再発するのです。

 

 また、月経のたびに薬に頼っていると、冷えが強く

なり、自律神経のバランスが乱れ、さまざまな症状を

招くことがあるので注意が必要です。

 

 本来、プロスタグランジンが分泌されることは身体

にとって自然なことで、過剰な分泌を促している、

「身体の冷え」が問題なのです。

 

 このような体質になってしまった根本原因(=根元

的な冷え)を取り除くためには、鍼灸治療とともに生

活習慣を見直すこともとても大切です。

 

 「冷え」は知らず知らずのうちに身体の芯で大きく

なっていきます。

 

 昨日今日で溜まるものではなく、長い時間をかけて

大きくなっていきます。

 

 根本治療は、たいへん根気のいる治療です。しかし、

はりとお灸で身体の芯の冷えを取っていくことで体質

が改善され、辛い月経痛が和らいでいきます。

 

 さかまき鍼灸院では、「冷えを解消し、月経痛が起

きない身体に導く」という根本治療を行っています。

 

 はりとお灸で冷えをとり、気血のめぐりを整え、体

の機能を回復を促します。

 

 そして、陰陽のバランス、つまり、交感神経と副交

感神経のバランスや、分泌されるプロスタグランジン

のバランスも整い、本来の健康な身体へと導きます。

 

 辛い月経痛でお悩みの方、自分の症状はなかなか治

らないとあきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。